低身長の原因には、健康保険での治療対象となる疾患が含まれます。
- ホルモン異常
(成長ホルモン分泌性低身長、甲状腺機能低下症、思春期早発症など) - 染色体異常(ターナー症候群など)
- 骨や軟骨の異常(軟骨異形成など)
- 主要臓器の異常(心臓、腎臓、肝臓、腸など)
- 出生時に小さく生まれたことによる低身長(SGA性低身長)
これらに該当する場合には、健康保険での治療が可能です。
特に小児慢性特定疾病に該当する場合には、公的補助に自己負担上限額が0円~15,000円(所得により変動)と
低額に設定されています。
しかし、健康保険において治療対象となるのは、身長が同性・同年齢の平均身長より2.0標準偏差(SD)以上
下回っている(100人中98番目から100番目の3人のみ該当)、かつホルモン分泌試験等での基準を満たす必要があるなど
極めて限定されています。
そのため、例えば80番目から97番目位の低身長で悩まれている多くの方にとって、
医療機関は何等のソリューションも提供してくれない存在になっているのが現状です。
当院は、健康保険での疾患診断基準に該当しないために治療対象とならない方(=保険適応なしと診断)に対して、
健康保険 適応条件の制約をうけない自由診療の特質を活かして、実現可能な医学的ソリューションをご提示しています。
なお、上記原因疾患に該当するか否かの検査・診断及び該当する場合の治療は保険医療機関で対応可能であることから、当院では除外診断として行う検査・診断は行っていません(ご要望に応じて、当院から保険医療機関をご紹介することは可能です)。
- 低身長治療のプロセス
- 子供の 低身長治療というと、すぐに成長ホルモンに代表されるホルモン治療を思い浮かべる方が多いようです。
中にはホルモン治療が不可欠な場合もありますが、日々の診療に携わっていると、
(1)ビタミン、ミネラル、タンパク質などの栄養面
(2)睡眠、運動、ストレスなどの生活環境
この2つをしっかりとマネジメントすることで身長の伸びが始まることを多く体験します。
栄養がカラダを作る源であることを否定する人はいないと思われますが、医療の現場では軽視されがちなのも事実です。
当院では、まずは栄養的アプローチと生活環境のマネジメントを保護者の方にもご理解をいただきながらしっかりと行うことからスタートします。
成長期は長い人生の中でも数年間の大切な時期です。しっかりと健全な成長をするチャンスを逃さないようにしたいものです。
・身長・体重、成長期に特有なカラダの変化や血中ホルモン値等から成長期のどの段階に到達しているかを診断
(画像検査が必要な場合は、外部提携医療機関にて検査)
・栄養や生活環境に改善すべき項目がないかを検査
① 栄養マネジメント:ビタミン・ミネラル・タンパク質等
② 生活環境マネジメント:睡眠・運動・ストレス
③ ホルモンバランスの調整:成長ホルモン・性ホルモン・骨代謝反応性について、医薬品やサプリメントを活用して治療
④ 運動指導:骨の成長に必要となる骨への適度な刺激をもたらすエクササイズをパーソナルトレーナーが指導
毎回の「1. 身体測定」と3-4か月ごとの「2. 検査」により、治療成果を客観的なデータに基づいて評価
- 栄養マネジメント
- 心と体の健康には毎日の食事=栄養が深く関係しています。成長期には栄養の需要が非常に高くなるため、きちんとした栄養のマネジメントはとても大切な要素です。
- 偏食やインスタント・レトルト食、ダイエット、個食(孤食)により栄養状態が乱れ、
・タンパク質(血液、筋肉、酵素、ホルモン、抗体などは全てタンパク質からできています)
・ビタミン(生理機能を正常にし、代謝がスムースにいくように調節する作用)
・ミネラル(カラダのほとんどの機能に密接に関わる)
の欠乏していることが多くみられます。- また、食の細い子供には栄養を吸収する腸管に乱れがあり、その結果として食物による遅延型アレルギーを生じていることもよく見受けます。
- 当院では食事指導と並行して、食事からだけでは不足しがちな栄養素について、効能が明確である医薬品(各種ビタミン、鉄、EPA製剤など)や玉石混交の状態で流通しているサプリメントから厳選したものを活用した栄養療法をご提示いたします。
- 偏食やインスタント・レトルト食、ダイエット、個食(孤食)により栄養状態が乱れ、
- 生活環境マネジメント
- ライフスタイルの変化に伴い、子供の外遊びの減少や、生活時間の夜型化など睡眠、運動、ストレス(メンタル、フィジカル)に影響の及んでいることが多くみられます。
これらについてご本人の現状と課題を共有させていただき、改善するための具体的なプロセスについてカウンセリングいたします。 - ホルモンバランスの調整
- 栄養的アプローチ、生活環境のマネジメントと並行して、医薬品によりホルモンバランスの調整を行うことが効果的な場合があります。
- 成長ホルモンだけではなく、思春期が早発傾向にある子供には性ホルモンの分泌を抑制することにより効果を発揮する場合もあります。
- これらをどのタイミングで行うのが最も効果的であるかを成長データ(身長、体重、身体的変化)や血液データにより見極めることが重要です。
なお、治療開始年齢が高いほどこの治療が必要になる可能性が高く、医薬品の使用量も体重に比例して設定するために増加することとなります。 - 成長ホルモンだけではなく、思春期が早発傾向にある子供には性ホルモンの分泌を抑制することにより効果を発揮する場合もあります。
治療料金(月に1回の受診が標準的)
(自由診療メニュー:保険診療との同日受診はできません) | 料金(税別) |
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診察料(30分以内) | 7,500円 |
血液検査 (初回以降は必要に応じて実施) |
28,000円 |
栄養的アプローチ(医薬品、サプリメント):月額の目安 | 13,000円~25,000円 |
ホルモンバランスの調整(医薬品、必要に応じて実施) | 40,000円~93,000円 |
料金は2024年11月1日現在のものです。今後予告なく改定される場合があります。
初診時のご留意事項:
・初診時は血液検査及び尿検査があります。
・次の資料をご持参ください。
ー 他院での一般血液検査、ホルモン検査等のデータ
ー 出生時からの成長の記録(身長、体重):事前にメールにて問診票と成長の記録を記載いただくフォーマットを
お送りいたします。
ー 治療中の疾患がある場合:お薬手帳
血液検査は、栄養バランス、肝機能・腎機能・骨代謝・各種ホルモンの状態を把握するために行います。
治療開始当初3か月は毎回、それ以降は3~4か月に1度行うのが通例です。
栄養的アプローチは、血液検査に基づき必要な栄養素について医薬品・サプリメントを活用して行います。受診者のほとんどが実施することとなる治療です。
ホルモンバランスの調整は、血液検査に基づいて必要性を判断します。実施する場合は医薬品を処方します。
・低身長治療における治療の具体的な成果(身長の伸び)について、事前に正確な定量化を行うことは困難です。
同性同年齢で同じ治療を行った場合でも、その成果は個人ごとに異なるのが実情です。
・治療で使用する医薬品・サプリメントは、多くのお子様での利用実績のあるものを選定していますが、一般の医薬品・食品同様に体質によりアレルギーの生じることがあります。
発疹・かゆみ等のアレルギーを示唆する症状が現れた場合は、服用を中止して医療機関を受診願います。
成長を促進する成分が含まれているため、ドーピングに該当するリスク(特に競技会出場レベルのスポーツ選手)をご認識いただく必要があります。
また、処方後の返品はお受けできません。
医療機関広告ガイドラインに基く開示事項
(1)治療の内容 国内承認済の医薬品を使用して点滴・内服治療を行ないます。
(2)費用について 上記記載。
(3)主な副作用とリスクについて 重大な副作用の報告はありません。
(4)入手経路等の明示 国内の大手医薬品卸から入手しています。
(5)公的救済制度 保険適応外での対応のため、公的救済制度の適用はありません。